ためらいがちに

2004年 10月 20日


雨は嫌いだと思っても始まらない。
何処かの軒先を借りて雨具を着て、再び走り始めるだけです。

霧が深い峠や荒波の打ち寄せる日本海を眺め続け、
数日間走り続けた旅が終わって
やっと晴れ間が戻ってきたあの日
京都・東山の疎水べりの小道でひとりの女性と出逢った。

柳の新芽が風に揺れていた。
私はバイクを止めて、その人にためらいながら声を掛けたのでした。

かけた言葉はためらいがちで
あの子はとても驚いたように振り向いた
季節は過ぎる
頬をそめて