散りユク夕べ  

2005年 05月 15日


散りユク夕べ

昔、ある女の子に恋をした。
その子と私が一緒に旅をしたとき、
この詩集を彼女が持ってきて、
銀色さんと私は出会ったのです。

私にとって、
儚く、辛く、でも美しい恋だったし、旅だった。

許されない人だったので、そのあとにハッピーはなかったけど、
詩集は大事に書棚にしまっている。


僕たちは弱いけど
今は力はないけど
いつかきっと
すごくしあわせになれるよ
いつかきっとね

だから
僕の手を強くにぎっていて

【「散リユク夕ベ」から】


一緒にどこまでも逃げようと誓ったその子は
銀色夏生の詩集を私に渡してくれて
私はその本を手にとって
この詩に見入った。

すべての幸せを棄てて
新しい幸せを見つけるために旅に出るんだと信じて
私たちは北へ向かった。

その瞬間になした決断に怯え続け
不安に苛まれて
あげくの果てに
その子を置いて
私は旅から逃げ出した。

それが人生の瓦解の始まりでした。