海はきらいさ

2004年 08月 14日


ほんとうは海が好きだった

初めてアイツと旅をしたときも
江ノ島の海を二人で見つめていた
都会の匂いがしたけれど
あれほど饒舌にしゃべっていた二人が
黙って遠くを見つめていた

決まり文句のように私は海が嫌いだとつぶやいて
アイツがどうしてと問い返したら悲しくなるからとこたえていた

私は日蔭に生まれて日蔭で枯れてゆくのよといつも口癖にしていたあの女
ほんとうは日向(ひなた)に出て幸せに浸りたいと夢見ていたに違いない
ほんとうの悲しさなどあなたにわかるものですか
あなたなんて幸せに溺れて海に沈んでしまえばいいのよ

私が幸せに溺れて深く沈んでゆくことを予言したのかもしれない

・・・・

もしもあの時私がアイツに海が嫌いだなんていわなかったら
今頃は違うドラマがあったのだろうか

※北山修詩集を手にとって
二人の恋がウソだったのだろうかと笑ってみる

〔7月22日/2004年〕