あの夏、のこと ─ 愛に終わりがあるならば ─

2006年 08月 06日


前略、ひろちゃん。

あのとき、キミはぷんと怒ってしまって、もう私の前には来てくれなかったのでした。

私たち二人が交わす言葉の中に別れという2つの文字はなかったはずだし、この世に生まれてキミと出会ってその運命の強さに神様の導きのような幸運と幸福を感じ続けていた私たちだったのに、別れという現実に向かい合っている今、やけに冷静になっている。

二人で走った道に行き止まりはない、と信じてきたし、ときには走るのをやめたり、ときには逆戻りもしてきた。認め合ってきた、そのはずだったのに、別れのときがきたのでしょうか。

キミの傍にいつもいたい。いつもキミを抱いていたいと願っていたのに、あの小さな肩も、猫のような丸い背中も、そしていつもボサボサの髪の毛も、もう抱きしめることができないんだ。思い出を夢の中に投げ入れてしまわねばならない、のだ。

でもね。愛に終わりなんかないよ。必ずキミを迎えに行くから。
夢から覚めて、そのとき、二人で手を繋いでお花畑を散歩しよう。
それまで待っていて欲しいんだ。

愛に終わりがあるならば、ゆうべの夢に葬ろう。

つづく