旅に出ると必ずひとりで歌を歌う。
よしだたくろう
ヘルメットのなかで大声を張り上げて歌うの。
やがて、
知っている歌が無くなって、同じ歌のサビばかりを繰り返している。
あなたに逢うために幾晩も掛かって幾つもの山々を越えて走り続けたときも
空を見上げては、吉田拓郎を歌った。
どうしても逢いたい。ひとめでいいから逢いたい。
おしゃべりな私は、逢えばあなたから離れることができなくなるだろう。
積もる話もある。
言い訳もある。
抱きしめたい。
本当のことを話してみたい。