終楽章(3) 夜空の果て
2007年 05月 15日
それは、、、
いつも空を見ていた から始まった。
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静かな夜だった。
メールを打つキーボードがカタカタと音を立てていた。
酔えない時間が過ぎてゆく。
星の散らばる真っ暗な空を、きっと海外へと飛び立つのだろうジェット機が、緑と赤の翼灯をともしゆっくりと南の方角へと移動する。
僕がここで今君を思って夜空を見上げていることが、メールに乗ってやがて届くだろう。その間にも、気持ちよい風かが窓から吹き込み、さっきまでの苛立ちや緊張が麻酔にかかったように消えてゆく。
ジェット機の音が静かに静かに届いてくる。
暗闇に広がる、タイムマシンの中を転げるときのような大空の片隅で、絡み合った君と僕の熱いハートが燃えてゆく。
指が熱くなってくる。
つづく