終楽章(4) 宿命

2007年 05月 25日


二人の間には、宿命があることはわかっていた。
出会うことは出来ても、結ばれるという筋書きは用意されていなかった。
別れという結末があるだけだ。

それを知っていながら、ひとさまが過去に創作したドラマのように、夢を追いかけていたのかもしれない。

あの子が言う。

「かまわないんだよ、アタシたちはすでに結ばれる運命にあるんだから、突っ走ればいいよ。間違ってなんかいないよ」

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夜空に星が瞬き、あるとき音も立てずに流れて落ちるのを見上げながら、光が消えてしまって闇が震えているのを感じ、心を高ぶらせ、私は別れの姿を想像していた。

いつか、別れねばならない。
そう考えながら、じっと闇に目を向けていると、冷たい手で私の手を握って
「間違ってないよ、突っ走ろうよ」
とあの子は繰り返し言った。

この子の鬼のような怖さと執念深さの片鱗を、あのときにちらっと感じた。

旅は、近いうちに必ず終えねばならない。筋書きは、そんな結末しか準備されていないのだ。そう思いながらも恐怖に似た震えが尚も止まらない。

続く