何の期待もしない とは なんてロマンチックだろう

 (散リユク夕ベ 銀色夏生 から)  

2004年 09月 15日


京都の街の繁華街から少し外れた大通りでした。
その通りの橋の下を琵琶湖疎水が流れていて、枝垂れ柳が川べりに幾本も植えられていました。

そこでひとりの女性と出会いました。
でも、それは儚い出会いでした。
喧嘩をして別れて、仲直りをして再び喧嘩をして…。

大原三千院をふたりで訪ねたときはお互いが無言でした。

1冊の詩集を私の机の上に置いたまま、その子は私の前から消えてしまって、二度と会うことがなくなりました。

詩集の一節

何の期待もしない
とは
なんてロマンチックだろう

何かを予言していたのだろうか
私に何を告げたかったのだろうか

あれから何冊か銀色さんの詩集を読んだけど、「散リユク夕ベ」だけが本棚でブリンクしてるのです。


銀色夏生 散リユク夕ベ 銀色夏生 詩集から