彷徨う

ボクたちは淫らで乱れた男と女の姿をして
いかにも心中をしますといういでたちで
断崖から海を見下ろしていたかもしれない
でも
いつだってボクはキミを
キミはボクを刺して殺してしまえるほどに
血が騒いでいたから
あの岬まで一緒に居よう
あの山の峰の向こうまで一緒に走ろうと
励ましあってこれた

ボクがキミに
「オレたちセックスフレンドみたい…」
と言った瞬間に
すべてが崩れてしまった

下手な別れをしたもんだ

〔2004年 5月初旬に記す〕

〔次章に続く〕