うつむいて季節はずれの寺の道  

2005年 10月 10日


そう、鎌倉に行こう!ということになった。東京駅から横須賀線に乗った。

さだまさしが縁切り寺を歌った鎌倉のイメージがあった。北鎌倉で降りて、苔むした塀を眺めながら細い坂道を下った。雨あがりの円覚寺の霧が晴れてゆく光景は、あなたと見た初めての感動だった。

いつも鶴さんと駅に降り立つと僕は甘えるように言う。

「僕たちにもやがて別れる日が来るんだね、そのとき君は僕を追いかけてくれるのだろうか」
彼女は無言だった。

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久々の【鶴さん】シリーズです。