散りユク夕べ
昔、ある女の子に恋をした。
その子と私が一緒に旅をしたとき、
この詩集を彼女が持ってきて、
銀色さんと私は出会ったのです。
私にとって、
儚く、辛く、でも美しい恋だったし、旅だった。
許されない人だったので、そのあとにハッピーはなかったけど、
詩集は大事に書棚にしまっている。
僕たちは弱いけど
今は力はないけど
いつかきっと
すごくしあわせになれるよ
いつかきっとね
だから
僕の手を強くにぎっていて
【「散リユク夕ベ」から】
一緒にどこまでも逃げようと誓ったその子は
銀色夏生の詩集を私に渡してくれて
私はその本を手にとって
この詩に見入った。
すべての幸せを棄てて
新しい幸せを見つけるために旅に出るんだと信じて
私たちは北へ向かった。
その瞬間になした決断に怯え続け
不安に苛まれて
あげくの果てに
その子を置いて
私は旅から逃げ出した。
それが人生の瓦解の始まりでした。