誰がオマエなんかを追いかけるものか

どうせ、そんなことだろうと思っていたよ。
気が付くのが遅かった私がおバカだったのね。

金も無い。頼るものも無いまま、私は見知らぬ土地に放り出されたのさ。
まったく、ひでえ男だと思ったね。
追いかけるなんて、これっぽちも思いつかなかったわ。

目の前にあるのは聞いたとこともないインターだったので、友達に電話を掛けて、その名前を言ったよ。
そしたら、クレジットカードで払うことにしてその高速道路に乗っちまえよって教えてくれたので、そのまま東京に帰ったよ。

宇宙の果てに帰るほど東京が遠かったけど、帰れて良かった。
オマエのことなんか思い出さずにその夜はひとりで寝たよ。

終わったな。
新しい恋も、恋と呼べる前に終わったよ。
また、身体がボロボロになってしまった。
エロで変態な男だったね、オマエは。

もう、会いたくない。


基花はその夜のことをそんなふうに語った。

〔2004年 5月中旬に記す〕

〔次章に続く〕