♪ いま、わたしの願いごとが叶うならば…
そんなふうに、急に歌い始めて、歌が途切れたところで
「一番星は願い星、二番目は叶え星って言うのよ」
と、アイツは教えてくれた。
「私の学校は、安積女子高っていうの。私はそこの合唱部だったの。全国的にも優秀だったんだよ」
自分のことをほとんど語ろうとしないその子が自分の生い立ちを少しだけ話したことがあった。
医者であった父を幼いときに亡くしたこと。そのご先祖さんは歴史の教科書にも出てくる人物に繋がっていて、自分もその血が流れているんだと、ときどき、思うということ。
ひとり残された母のそばに自分がいてあげないといけない、と強く思っていること。
あのころの私には、オンナの心なんてこれっぽっちも理解できない間抜けなヤツだったな、と、他愛ない会話を思い出すたびに、そう思う。