6月5日号 芒種篇
勢和村のあじさいの道を訪ねた。というか、偶然に傍を通り素敵な散歩道が目に留まったので足を踏み入れたのです。
立梅用水という歴史のある水路沿いにあじさいの花が植え込まれていて,散歩道の脇の樹木には名称の札が掛けてある。手間の掛かる作業だっただろうが、通りゆく人はこのご苦労のお蔭で自然に親しみを持ち、やがてそれが自然の姿になってゆくのであれば,甲斐もあろう。
子どものころに親しんだ生き物がごく普通にいるだけのように私には見えるのだが、ここに絶滅の危機に瀕するメダカなどもいる。資本と言う文明が切り棄てた自然という貴重品は、大きくかけ離れてしまった時空のうえで動いているのではないかと思う。つまり、大局的に幸福を見極めることの出来なかった人々が、ある日突然、都合よくも格好をつけて自然保護の運動などをしても、報われるのだろうか。
この自然保護はホンモノだと思うものの、まだまだ環境に目を向けようとする人口が少ないことや人々を惹き付けられない無力を思うとじれったい。
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そんなことを考えながら歩いていると、足元に蜥蜴が飛び出して私を驚かせて茂みに消えた。ハッとした拍子に大きく息を呑んだ。深呼吸をしたら草の匂いがした。子どものころの、あの匂いだった。