今日はフレーミング効果と言われる言い廻しについてです。  フレーミング効果とは、ある選択肢の判断を人が行う場合、その絶対的評価ではなく、 自己の参照点(基準点)との対比において比較されるため、絶対評価とは異なる判断を導 く可能性があるという効果のこと。 同一の選択肢であっても、選択者の心的構成(フレーミング)が異なると、意思決定が異 なってくる効果のこと。 (exBussWordsより)  要は、同じ情報でも個人の判断はその人のバックボーンによって左右されるということ です。例えば、貴方が野球の監督として ・A打者は3割出塁できる。 ・B打者は7割アウトになる。 の評価が別れた打者2人に対してどちらを代打に指名するか? あるいは、友達、伴侶を選ぶケースとして ・A君は会社社長の長男。 ・B君は町内の八百屋の末っ子。 のどちらを選ぶか? という例題がよく取り上げられます。  この場合、殆どの場合、A打者、あるいはA君を選択するでしょう。 勿論、そうなるように問題文を構成してあるのですが、よく考えてみれば、内容は同じな のです。 ・3割出塁は7割アウトの裏返しです。 ・町内の八百屋が会社組織であり、上二人が姉さんで末っ子が長男なのはあり得ることで す。  幾つかの言葉には負イメージを持つネガティブワードというものがあります。この例で は"アウト"、"末っ子"、"町内"、といった言葉です。 このような言葉と、数字の大小を組み合わす事でイメージが大きく左右されてしまいま す。  逆に言うと、これらを熟知すれば、メリットは強く感じさせ、デメリットを弱く表現す ることで読者の意思決定を操ることも可能です。 『言い回しにだまされず、数字をちゃんと見て判断すること。』 良い面だけを見るのではなく、逆に自分が説明する場合に置き換えて考えてみることも大 事なのではないでしょうか? <おまけ> この手法はアンケートに用いられていたものであり、設問の並びを変えるだけ でも結果が変わってきてしまいます。  設問が公開されていないマスコミの独自調査なんていい加減なものです。 例えば ・赤字国債を財政法に違反してまで発行させた張本人は土光元経団連会長・トイレなき原 発がトイレのないまま壊れて汚物をまき散らした政策は電力業界と結託したどの政党が打 ち出したのか?" は説明文に書かれていません。マスコミがアンケートの結果の責任なんてとった試しがあ りませんし、ニュース番組のコメントも然りです。政局ニュースで「難しい舵取り…」な んてコメントが出た場合は、"当TV局は責任あるコメントを出せません"と言っているに等 しいのです。