今すぐに行動しろ!
「雀鬼」と呼ばれる男が東京にいる。雀鬼の雀とは、麻雀 のことだ。
彼は、20年間、麻雀というゲームにおいて負けたことがないらしい。
麻雀というゲームは、お金を賭けるのが普通で、高校生の君たちには禁止されている。
純粋にゲームとして、例えばトランプの七並べのように遊ぶ分には問題ないように思えるけど、麻雀は賭博性の高いゲームだとの世間一般の認識があるから、残念ながら、君たちには禁止。
僕も、大学に入ってから、つき合いのために必要だろうと思って、麻雀を友人たちとするようになったけど、もともとギャンブルには弱いということと、友人たちからお金を巻き上げたいとは思えなくて、僕はたいてい負けていたように思う。
友人の中には、それこそ必死で、大学の講義も出席せずに日夜がんばってるのもいたし、勝ったり負けたりすることから「麻雀は人生そのものだ」などとわけの分からないことを言う者や、「麻雀は場所。パチンコは台」とか言って、すべては運しだいだと考えてるのもいた。
雀鬼と呼ばれる桜井章一が、どのような男なのか。
彼の書いた本や彼に関するマンガを読んだくらいで、会ったことはないんだけど、妙に惹かれるものがある。
本当に20年間負けなかったのかどうかは、問題じゃない。
ま、そのうち会う機会もあるだろうと思っているんだけどね。
その彼が言う。
「思ったことは、考えることなく、すぐに行動に移せ」と。
「ぐずぐずしてるのは、行動しないことや失敗したときの言い訳を探しているからだ」と。
普通に考えれば、彼が麻雀についてそう言っているようにとれるけど、それだけではないように感じる。
例えば、誰かがイジメられている。
それを見て、何とかしてやりたいと思っても何もできないことがある。
自分の代わりにイジメてくれてるから、ラッキーだと思って、見てることがある。
自分がイジメられているわけじゃないから、何も思わず、ただ見てることもある。
行動しないということに関しては、どれも同じ。
助けを求めてる側にしてみれば、誰も助けてくれなかったという事実がすべて。
だから「行動しなきゃダメなんだ!行動することからすべてが始まるんだ!」ってのは、よくあるお話。
じゃ、誰かをイジメたいと思うけど、いけないことだからと思い直して行動しないのと、イジメたいと思わないから行動しないのと、どっちが良い?
人間って弱いものだから、正しくないことを思っても行動しなければ、とりあえず善しとすべきだと、正しくないことをしたいと思った自分を慰めるためにも、僕はそう思って生きてきた。
だけど、桜井章一は、それを許さない。
「正しくないことを思うことがダメなんだ」と。
「いつも、正しいことだけを思わなければならないんだ!」と。
これにはマイッタ。
自分の弱さ、甘さが丸見えになってしまった。
常に正しいことを思い(正思)、常に正しい行動をする(正業)というのは、仏陀の教えの八正道 に通じる。
これは、大変なことだ。
じゃ、正しくないことを思わなくするには、どうすればいいのか?
桜井章一は言う。
「だから、すぐに行動するんだ」と。
正しくないことを思い、即座に行動すると、悪い結果になる。
そういうことを経験することによって、正しくないことを思わなくなる。
正しいことだけを思い、正しいことだけを行動できるようになるというわけだ。
でも、むずかしい。
僕なんか、失敗を恐れるし、怠けたいと思うし、自分自身に言い訳をしてるし・・・。
だけど、自分は何も行動せずにいて、失敗した人に対して、「ざまぁみろ」などと思う人間には、なりたくない。
そりゃあ、行動しないヤツは、失敗しないさ。
行動するから、失敗するんだ。
そうさ、だから、どんどん失敗していいんだよ。ウン!
中学生・高校生のあなたへ
◆ ◇ ◆
2号 迷惑をかけるな!
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