生命の教育研究所----今を生きるあなたに伝えたいこと

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アジのタタキ 8号

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我慢しろ!
 
 楽しいことばかりじゃない。
 いやなこともあるし、やりたくないこともいっぱいある。

 昔は「腹が立つ」と言っていたのに、「頭にくる」ようになって、「ムカつく」から「キレる」になった。
 言葉は変化していくものだけど、今度は言葉に振り回されるようになる。

 「腹が立つ」と口にして「頭」に意識をやることはない。
 無意識に「腹」を思ってるに違いない。
 ということは、日本人の感覚が、我慢できないときには、腹から頭になって胸になってきたんだ。

 「キレる」のは何が切れるのか知らないんだけど、「腹が立つ」人は堪忍袋の緒のことだと思ってしまう。
 現代の若者がそんなことを意識してるはずもないから、切れるのは額に浮き出た血管か?
 血管を意識するより腹を意識したいねぇ。
 血管ごときを意識してては、我慢なんてできないだろうからね。
 
 今生きている君たちにとっては、我慢することが少なくなってきたように思う。
 何事においても我慢することは良くないと教えられてきたんじゃないだろうか。

 分からなければ分からないと言いましょう。
 気分が悪くなったら我慢せずにすぐに言いましょう。
 イヤなことはイヤとはっきり言いましょう。

 何でもかんでも我慢をせずに言えば良いと勘違いしてないか?

 小学校で「授業中に立ち歩いて騒ぐのは、この子の個性です」と言う親がいたり、おもちゃを買って欲しいと泣いているのが子供のわがままだと理解できない親のいる世の中だ。

 そりゃあ勘違いもするわな。
 
 個性を伸ばしましょう。
 自ら課題を見つけて、それを解決していきましょう。

 言葉にすればかっこいいけど、そんな教育を受けてきたのが君たちだ。
 何も昔は良かったとか、今の教育を批判してるわけじゃない。
 そんな教育の中で、我慢することを忘れてしまったんじゃないか、と心配してるんだ。

 自分で課題を考えるとき、解答しなければならないんだったら、ほとんどの人は解答できそうな課題にするはずだ。
 または自分の興味のあることにするはずだ。

 わざわざ苦しみたくないからね。

 でも、そんなことばっかりやってたら、自分自身の限界が広がっていかない。
 自分で決める限界なんて、本当の限界じゃない。

 そんなに自分を過小評価しなくていい。
 だからって、そう簡単に限界を超えることはできない。
 そこには信じられないくらいの我慢が必要になってくる。
 
 格闘技の練習でサンドバッグを1分間くらい全力で叩き続けると、気分が悪くなって吐いてしまうそうだ。
 こんなふうに自分の限界までいくためには、誰かに活を入れてもらわないとできないらしい。
 つまり、少しでも手を抜いたら竹刀で叩いてもらう等のね。
 格闘技が大好きで、自分でものすごく鍛錬して、何かのチャンピオンになってたとしてもだよ。

 好きなことならやれるってもんじゃないんだ。
 好きなことであっても限界を広げていくためには、我慢が必要なんだ。
 
 命がけで我慢する必要は全然ないけど、すぐに助けを求めたり逃げ出したりせずに、もう少し我慢してもいいんじゃないか。
 我慢することで、今まで行けなかったところに行けるようになるんだから。

 もうすでにそこまで行ってるヤツを見て、自分がすぐに行けないからって、あきらめることもないだろう。
 今は一歩しか踏み出せなくても、三歩出ては休憩して十歩進んでへとへとになってる内に、気がつけば千歩でも一万歩でも歩けるようになる。

 みんながそうなんだ。

 今の自分と他人を比べたって、そこには越えられない現実があるだけだ。
 だから未来の自分と今の自分を比べるんだ。
 そうすれば、人がどうしてそうであるのかが見えてくる。
 そうなれることを信じて、今は我慢して進むんだ。
 
 人が社会の中で生きるとき、それがどんな小さな社会でも、自分以外の人がいるならば、我慢しなけりゃいけないことがある。
 お互いが我慢しなくちゃいけない。

 すばらしい社会を創り出すためにも、今、我慢しなくちゃいけないと思えることは、我慢するんだよ。ウン!
 
 
  

夏休み特別号  ◆ ◇ ◆  9号 お前がやれ!
 
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