チヤンスの準備について
「チヤンス」にはしっぽがない。今、目の前を通り過ぎていったのが「チャンス」だったと気づいても、しっぽがないから、もう捕まえることができない。「チャンス」が目の前に来たときには、もう飛びついていなくてはならない。「今」という瞬間には、一歩を踏み出していなければならない。迷っている時間はない。常に周りに気を配る必要がある。よく気をつけていれば、いろんな「チャンス」が巡ってきているのが分かるはずだ。だけど、飛びつけるだけの準備ができていないと、みすみす「チャンス」を逃すことになってしまう。
どんな「チャンス」が、いつやって来るかわからないのだから、自分にとって、価値があると思われることに対して、準備をしておかなければならない。自分にとって価値ある「チャンス」とは、自分の「夢」につながるものだ。お金があれば実現できる夢から、宇宙が誕生と消滅をくり返しても実現不可能な夢まで、ありとあらゆる自分の夢の実現に少しでも近づく「チャンス」なら、逃すことは許されないはずだ。
万沢 康男(まんざわ やすお)というバイク乗りがいる。僕が大学生の頃、「ベスト バイク」という月刊誌の編集をしていた人だ。僕はこの雑誌を創刊第2号から、廃刊になるまですべて持っていた。いろいろなバイク雑誌の中で、一番エネルギーを発していた雑誌だったと思う。その彼は、小学生のときから、バイクが好だったので、本を読んで、エンジンのかけ方、ギアチェンジの仕方、アクセルの開け方、プレーキのかけ方等、バイクの運転に関することをすべて記憶した。それだけでなく、夜眠る前に、布団の中で手足を動かして、バイクを運転するイメージトレーニングを積んだ。いつか「チャンス」が巡って来たときに、すぐ飛びつけるように準備をしていたわけだ。ある日、学校の帰り道だったかで、大工さんが家を建てていた。その大工さんのものらしきバイクが、道路脇に停めてあった。思わず見とれている万沢少年に、屋根の上から大工さんが声をかけた。「乗りたかったら乗ってもいいぞ」と。大工さんは、まさか小学生がバイクに乗るなどと考えていなかったのだろう。万沢少年に「チャンス」は訪れた。この「チャンス」を逃すわけがない。すぐにバイクにまたがると、生まれて初めてにもかかわらず、自由自在に乗りこなした。大工さんも、さぞかしびっくりしたことだろう。万沢少年の夢は実現したわけだ。
もうひとり。ノルウェーにアムンゼンという人がいた。彼は南極大陸を探検したのだが、南極探検は、少年の頃からの夢だった。それで、彼は、冬の夜、だれも行っていない南極に行くことを夢見て、窓を開けて眠った。母親に心配をかけたくなかったから、見つからないようにして。
具体的な夢があれば、準備もしやすい。だけど、漠然とした夢や、実現の可能性がほとんどないような夢に対してはどうするのか。いろんなことに挑戦して、自分をどんどん磨いていく他ないだろう。何も価値が無いように思えることでても、後で役に立つことは、いっぱいある。単なるその時の好き嫌いで自分の行動を制限していては、後で後悔することがある。もっと貪欲に、この世の中のものすべてを吸収するくらいのつもりで、何事にも手を抜かず、積極的に取り組むべきだ。こんなことをしていてもしょうがない等と分かりきったような口をきく前に、まずやってみることだ。
おめでとうございます!あなたは、世界の若者と交流する権利を得ました。ところで、あなたは、健康ですか?心も体も?英語が話せますか?スペイン語は?中国語は?それじゃ、きれいな日本語は?日本の文化を紹介できますか?日本の歴史は?日本の経済は?日本の政治は?日本人の思想は?宗教は?どんな本を読みますか?どんな音楽が好きですか?感動した映画は?歌を歌えますか?楽器を演奏できますか?たったひとつでいいですから特技を披露できますか?あなたは、どんな人ですか?
17号 愛について
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19号 稽古について
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