生命の教育研究所----今を生きるあなたに伝えたいこと

Contents

HOME 代表プロフィール 中学生・高校生のあなたへ 教員の方へ(教員を目指す方へ) 講演記録 ブログ

風に訊け 2号

イメージ写真

音楽について
 
 先日、久しぶりにCDを思わず買ってしまった。アル・ディ・メオラのエレガント・ジプシーというアルバムだ。20年近くも前のものだけれど、やっとCD化されたようだ。このアルバムの中に、フラメンコギタリストのパコ・デ・ルシアとのギター2本の競演である「地中海の舞踏」という曲があって、この曲を聴きたいがために、CD化を10年以上待ち続けていたのだ。待っていた甲斐はあった。20年ほど前の感動がよみがえってきた。この曲をいつか弾けるようになるのが僕の夢のひとつなのだ。僕は、最近、車の中でこの曲ばかり聴いている。うーん楽しい!
 
 カタログを見せてもらうと、なつかしいアルバムが、あるわあるわ、思わず2枚ほど注文してしまった。本当は、もっと注文したかったのだけれど、次回の楽しみにとっておいた。
 
 注文した1枚は、渡辺香津美というジャズギタリストのもので、彼のジャズに対する深化と僕の認識が(彼には失礼なことだが)よくマッチしていて、彼の初期のアルバムからずっと、レコードを持っているが、その中の気に入っているレコードに傷をつけてしまって(その時の僕の悲しみがわかるかな?)、レコードは廃盤になっているし、どうしようもなかったわけだが、これも、CD化されていたのだ。嬉しい!
 
 ジャズといえば、山下洋輔というピアニストがいる。コンサート等(津でもする)には出かけていくのだが、彼が表現しようとしているものを感じとるだけの感性が僕にないので、残念に思う。

 彼は、友人とアメリカに渡って、ジャズの生演奏をしているクラブ等に客として入っていって、演奏者に「へたくそ!」(もちろん英語だと思うけど)と、言うわけだ。最初は気にも留めていない演奏者もそのうち頭にくるから、「なら、お前やってみろ!」となる。で、彼は、しめた!とばかりにピアノの前にすわる。初めて会った人達と、いきなり演奏をしてしまうわけだ。もちろんスタンダードナンバーだけでなく、初めての曲もアドリブで合わせるわけだ。
 
 一流同士になると、演奏しながら相手の心を読む。だから、アドリブの掛け合いだって、お互いがむちゃくちゃ演奏しているのではなくて、お互いの心を感じながら、合わせているわけだ。
 
 で、彼は、初めてのセッションにおいて、他のメンバーをリードしていってしまった。実力の世界であるアメリカだから、すぐに、「お前はすごい!」となるわけだ。こうして、彼は、かなりのクラブを荒らし回ったようである。自信がなければできないことだ。彼が一流だからこそできることだ。
 
 荒らされたジャズメンが感じた山下洋輔のすごさを、僕は感じることができない。僕の感性が、その域にまで高められていないからだ。しかたのないことだけれども、悲しく思う。
 
 僕の感性のレヴェルは、僕らの時代の、かぐや姫、井上陽水、吉田拓郎等の貧乏フォーク全盛期のもので、彼らの歌が、今の僕の血となり肉となっているのだ。せめて、あの頃、ビートルズも聴いていれば良かったと思う。今、ミスチルやtrf等聴けないこともないが、もう、僕の体の一部になりそうもない。多感な時期(?)である、学生時代に聴いたものは、血や肉となっていくが、その時期を外すとダメなような気がする。だから、君たちは、今、色々な音楽を聴くべきだと思う。ジャリタレの歌は耳がくさりそうな気がしないでもないが、ま、それもよしとしよう。とにかく、手あたりしだいに聴くべきだ。そのうち、自分に合うものがのこっていくから。とにかく、「今」なのだ。(もちろん、勉強はするんだよ)
 
 かぐや姫を聴くと、僕は今でも優しくなれる。過去を思い出して、昔は良かったなどというのではない。僕という一個の人間を形作っているものの一部なんだ。
 
 

1号 自分自身の存在について  ◆ ◇ ◆  3号 受験勉強をするということについて
 
トップへ戻る

 

リンク

Copyright(C)2018 生命の教育研究所 all rights reserved.