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風に訊け 21号

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超常現象について
 
 世の中、退屈になってくると、超能力がブームになったりする。科学というものを、多くの人が学んでいるにもかかわらず、自称「超能力者」の起こす現象を、すごい!と言って信用したりする。ここに断言しよう。物理学を越えるような現象は、決して起こらない。もちろん、まだまだ解明されていない現象があるが、それらは、いずれ解明されることになるだろう。超能力者が、まだ解明されていない何かを利用しているのだとしたら、それは大変な発見なのだから、それを科学的に解明させるべく、科学者に協力すべきだ。それによって、新しい人類の未来が開かれるかも知れないのだから。だけど、ほとんどの超能力者は、協力しない。その多くは、「信じていない人がいると、能力が発揮できない」というものだ。これは、何を意味しているのか。暗示にかけられないとか、 トリックを見破られるからじゃないのか。
 
 手品師が何かをしたとき、彼らを超能力者だと言う者はいない。超能力者が失敗したとき、「失敗するから、超能力だ」と言う人がいる。何か間違っていないかい。失敗する超能力者は、手品師に劣る、つまり、下手な手品師が手品師としては客を呼べないから、「超能力者」として自分を売り出すわけだ。Mr.マリックなんて、マジックとトリックから名前をつけたわけだが、彼の手品は、本当に下手だ。テレビでしょっちゅう失敗をしている。僕が見ていて種が分かるんだから、どうしようもない手品師だ。テレビ局もそれを分かっていて、協力しているところがある。
 
 超能力が本当に使えるのなら、ギャンブルで大勝してほしい。「神様に与えられた能力は、そんなことに使おうとすると、能力が発揮できないのです」なんて嘘に決まっている。大勝したお金は、本当に人類の役に立つようなことに使えば、神様も許してくれるに違いない。例えば、そのお金で、何かの病気のワクチンを買うことができるだろうし、飢餓で苦しんでいる人達に食料を届けることだってできるはずだ。そんな行為を、神様が妨害するとは思えない。
 
 武道なんかで、「気」で人を吹っ飛ばすというのがある。ニュートンが発見した「作用・反作用の法則」は、一体どうなってしまったのか。武道を修行すれば、物理学を越えられるのだろうか。そんなことは、あり得ない。「気」で吹っ飛ばすのではなくて、何かを感じた相手が、自分で飛んでいくのだ。「そうじゃない、気で吹っ飛ばすのだ」と言うのなら、相手を宙吊りにして、飛ばしてもらいたい。だいたい、素人は飛ばずに、受け身の上手い奴ほど大きく吹っ飛ぶものなんだから。
 
 心霊写真も、霊が写っているわけではない。レンズの乱反射が、ほとんどの原因だろう。なぜって、プロカメラマンの「心霊写真集」なんて発売されないから。プロカメラマンが、どれだけシャッターを切っているかを考えれば、素人がたまに写真を撮るよりずっと多くの霊が写っていそうなものだ。だけど、そんなものは写らない。
 
 宇宙人がUFOに乗って、地球に来ているというのも怪しい。天文学者や、アマチュア天文家が、どれほど夜空を眺めているか。それなのに、彼らが、空飛ぶ円盤を見たという報告文書はない。ほとんどは、素人が何かの自然現象をUFOだと思いこむだけなんだから。UFO写真も、まず、トリック撮影だろうね。ある人が、UFOを撮影したということがニュースになってから、世界中でUFOが、写真に写るようになってきたんだから。
 
 科学は万能ではないから、すべてを否定することはできないけど、超常現象のほとんどは、科学というフイルターを通すと、否定されてしまう。僕は、超常現象が嫌いなわけじゃなくて、大好きなんだ。それらが本当なら、こんな楽しいことはない。だから、否定して否定して否定して、最後に本当の超常現象が残って欲しいと思ってる。そうすれば、そこからまた、科学の進歩が始まるのだから。
 
 

20号 自由について(U)−自由と社会−  ◆ ◇ ◆  22号 楽天的な生き方について
 
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