夏休みです。
高校生活最後の夏休みです。
楽しい思い出もいっぱいつくりましょう。
生きている喜びを体中で感じましょう。
人を幸せにすることも考えましょう。
ついでに受験勉強もしましょう。
<計画>
計画がなければ、成功するとしても時間がかかりすぎる。少しでも楽な方へ流れて行きたいのだから、計画がなければ、流されっばなしになる。流されていると、すぐに9月がやってくる。その時では、もう遅い。とにかく、今すぐに計画をたてなさい。計画をたてるめに1日かけても構わないから、何日に何をどのようにするかということと、1日の時間配分(起床、就寝もふくめて)を考えること。
予定は変わることもある。突然、友人が訪ねて来るかも知れないし、思わず長電話をしてしまうこともあるだろう。予定していた起床時間に起きられないこともあるだろうし、病気になることもある。それらを計画に入れることは不可能なのだから、それらは、その時に考えればいい。ただ、よくよく注意しなければならないことは、予定が変更になったとしても、他人のせいにしないことだ。すべてが計画通りに行く方が不思議なのだから、突然の事態が生じても、次にどうするかを判断するのは自分自身だ。計画の変更が必要であれば変更し、中止せざるを得ないなら中止にする。変更させられたとか、中止させられたというのは、自分の責任では無いことをアピールしているだけであって、そんなことをし続けていると、愚痴を言うばっかりで先へ進めなくなってしまう。考えても考えなくても同じ行動をすることになるとしても、自分で考え判断した結果の行動というのが大切なのだ。
重ねて言う。朝寝坊をするのはお母さんが起こしてくれないからではなくて、自分が起きないからなのだ!
<勉強>
「どういうふうに勉強をしたらよいのかわからない」といって、先生に質問する者がいる。中には前向きで、良い者もいるのだが、大抵は、楽して成績を上げる方法がないのかを聞きにきている。そんなものは、あるわけない。英語の単語は、この本を全て覚えなさいと教えられたとしても、その方法が楽ではないことがわかると、その本が嫌いだの、書くのが苦手だの、何とか理由をつけて、自分が納得できる楽な方法が見つかるまで質問している。
はっきり言おう。楽な方法は無い。そんな方法があったら、みんながもうやっている。ただ、勉強のやり方については、いろいろな方法があるだろう。どのやり方が自分にあっているかどうかは、試してみないとわからない。試行錯誤が大切なのだ。だから、自分なりの勉強のやり方がわかって、そのペースで勉強を続けられるようになるまでに、3ヶ月ほどかかるだろう。ということは、今からやり始めて、受験勉強のペースができるのが、10月。ぎりぎりのところでしょう。だから、すぐにでも始めなければならないんだ。長時間集中する訓練さえできていないだろうから、10時間と決めたなら、必ず10時間は、自分で自分を拘束して机に向かい続ける。たとえ、頭の中が動いてなくてもだ。10時間机に向かうことすらできないのに、受験前に10時間以上集中して勉強することは、不可能だ。「その時に本気でやればできる」と言うくらいなら、その半分でいいから、今すぐしろ!
さらに、今できない者が、浪人してできるようになるわけがない。すべては、今!
<やる気>
やる気がなければ、何もできない。「あいつは能力があるのに、やる気をださないからなぁ」などという評価はしない。やる気も能力だ。やる気をだすことができないということは、結局できないということだ。「やればできる」などと、努々(ゆめゆめ)思うことなかれ。
黒崎道場という格闘技の道場が東京にある。黒崎先生は言った。「強くなるには、腕立て伏せが、1000回連続でできないようではだめだ。入門するなら、最低500回はできるようにしておけ」と。そういうコメントがある雑誌に載って、何ヶ月かしてから、また、黒崎先生のコメントが載った。「前に腕立て伏せを1000回しろと言ったけど、実行した奴は、日本中で5人もいないだろう」と。"てめえらの強くなりたいという気持ちは、その程度のものだよ。楽して強くなれるわけがないだろうが!"と言ってるように僕には思える。もちろん僕にも腕立て伏せ1000回連続なんて、今はできない。「やればできるかもしれない」と思ってはいるが、実行に移しはしない。人間は弱いものなのだ。「やればできるかもしれない」と思うことによって、自分を全部否定せずに甘やかしているわけだ。弱さを自覚することは大事なことだが、自覚するだけではだめだ。そこから、前へ歩みださなくてはならない。
腕立て伏せの話の続きだが、その雑誌の記者が黒崎道場に入門することになった。格闘技の経験があるわけでもなく、普通のスポーツマンだった。ところが、さあ、これからというときに怪我をしてしまって、腕立て伏せくらいしかできなくなってしまった。黒崎先生が1000回連続でしろと言ってたから、というだけで、その記者は、毎日毎日腕立て伏せばかりをやった。1ヶ月たって、連続で何回できるかに挑戦した。途中、「もうだめだ」という度に奥さんに励ましてもらい、本当にだめになったときには、確か230回くらいになっていたということだった。やりもしない者が「やればできる」などと言えますか?「やればできる」も言えないから、やる前から尻尾巻いて逃げますか?彼のような話を聞くと、ますます自分の弱さが鼻につく。でも、そんな自分を自分で認めて、少しずつでも歩いて行きたい。
どうすれば、やる気がおこるのか。人それぞれだろう。目標とする大学があった方がいいのなら、早く大学を決めること。そうでなければ、なぜ進学するのかを自分自身で納得すること。自分自身だけが理解できる目的で構わないから、真剣に考えること。僕には、それくらいしか思いつかない。僕に、君達のやる気を引き出せるほどの力があればよかったのだけど、残念ながら、そんな力が僕には無い。自分自身のことでさえ手を焼いているのだから。
やる気をだすことができなければ、流されて行くだけだ。流されていては、風は感じられない。
<生活>
受験生は、えらい。「偉い」んじゃない。だから、ちゃんと家族の一員として生活しなさい。受験には家族の協力が必要だ、などと甘えていてはいけない。家の用事、手伝いもきちんとこなしなさい。自分一人で勝手に大きくなったなどと思ってはいけない。謙虚さは必要です。優しさも必要です。
「受験生」も人間です。人として生きていることを、決して忘れてはなりません。
<その他>
ほんの一月ほどだけど、SHRがないのは寂しい。でも、しかたのないことだから我慢しよう。その間に、僕ももう少し修行を積もう。
男子三日会わざれば、括目(かつもく)すべし!
(括目:目を見開いてよく見ること。)
9月1日に、涼しい目をした君達に会いたい。
26号 自由について(V)−自由と悟り−
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冬休み特別号
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