テストの出題について
テストがあるから、とりあえず勉強する(こんな勉強は好きじゃないが、現実にはしかたのないことなのか・・・)のだろうけど、「一夜漬け」で全教科乗り切れるほど範囲が狭いわけじゃないし、「一夜漬け」をしようと思えば、一晩で全てが復習できるくらいに基礎をしっかり理解しておかなければならない。そうでないなら、「一夜漬け」にもなりゃしない。計画通りにいかずに時間がなくなってしまって、「一夜漬け」をしなければならなくなったときでも、必ず睡眠をとること。眠るということによって頭の中が整理されるのだから。もちろん忘れてしまうこともあるだろうけど、整理の方が大事です。さらに、新しい他の情報を頭に入れないように、ぎりぎりまで眠って、何も考えずに試験に臨んだ方がいいみたいだ。ただ、僕には「一夜漬け」の経験がほとんどないから、実際はどうなのかわからない。「一夜漬け」で乗り切る自信が全くなかったから、計画を立てて日常の予習・復習や宿題以外にテストのための勉強をした。このときは、さすがに受験勉強を中断していた。
僕が作るテスト問題は、当然、「一夜漬け」であっさり満点がとれるようなものはない。それなりの点は取れるだろうから、それで満足できるのであれば、それも良いのだろうけどね。
なぜテストをするのかという理由は、大きく分けると二つある。一つは、うまく教えることができたかどうかを僕が確認するため(基礎分野)。もう一つは、みんながどれだけ勉強しているかをみるため(応用分野)。基礎分野においては、できてあたりまえ。基礎分野の正答率が90%を越えて当然。だけど、基礎の基礎である「公式を書きなさい」などという問題は出さない。そんなものは、全員が理解し、覚えているという前提の上で基礎分野の問題を出すわけだから。できれば、何かの表を見ればわかるような記憶の問題も出したくない。みんなに教えたいことは、表を暗記することじゃなくて、表のデータをもとに、何をどう考えるかということだ。ただ、大学受験というものがあるから、そのためにどうしても記憶しておかなければならないことについては、どれほど簡単な記憶の問題であっても出題することになる。こんな問題は採点していても、ちっともおもしろくない。ここで×をつけなければならなくなると、腹が立ってしまう。僕としては、「こんなことは基礎の基礎であって、できれば出題したくないものをわざわざ出しているのに間違えやがって」という気になるわけだ。
応用分野の問題の中には、一つ二つみんなに挑戦しているものがある。「この問題がどこまで解けるかな」ってね。こういう問題には、全力で挑みかかってきてほしい。「負けるものか!」ってね。これの採点は非常に楽しい。「ほうら、まんまとひっかかって。ザマアミロ!」ってな具合だ。だけど、それを完璧に解かれたりすると、非常にうれしいのだけれど、うれしい反面くやしさがこみ上げてくる。こうなると、「次のテストでは、みてろよ」という気持ちになる。心地よい緊張感だね。そのあたりがわかってくると、テストの問題を見たときに、ニヤッと笑えるようになってくる。「オレに挑戦してるな。ようし、解いてやる!」となるわけだ。ここまでくると、テスト用紙という紙切れを通して、目に見えない戦いがおこなわれることになる。
また、応用分野の問題は、テスト範囲に関係があれば、授業中に話さなかったこと、教科書に載っていないようなことでも出したい。受験においては範囲なんてないんだから、「実カテストや校内模試なら良いけれど、中間や期末考査のときに習ってないことを出すのはズルイ」などと甘えないでほしい。知らないことが出題されたら、勉強していない自分を恥じなさい。勉強というものは自分でどんどんするものだ。先生が教えてくれる(最低限の)ことだけを覚えていれば良いなどと甘えていてはいけない。最終的にみんなが相手するのは先生じゃないんだから、早く先生を越えなさい。