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むてき 14号

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勉強

 人間には好奇心があります。知りたいという欲求があります。子供は誰でも、「あれは何?」「なんで?」「どうして?」等々、大人を質問責めにします。このとき、大人が適切な回答をしていれば、子供の好奇心や知識欲は満たされ、より多くの疑問を持つようになっていくのでしょうが、大抵の場合、大人が根負けして、「なんでも!!!」「今忙しいの!!!」等と子供の思考を停止させてしまいます。嘘をつくより良いかもしれませんが、その子に応じた書物を見せ、本を読ませることに成功したなら、後は、本を与えるだけで済むかもしれません。ただ、その時の疑問を解決する書物が、近くにあるということは、考えられません。ですから残念なことに、子供は、大人に疑問をぶつけてもダメだ、ということを学習することになるのです。
 
 それでも、子供が疑問を持ち続けていたなら、学校で学ぶことが楽しくなるはずです。学べば学ぶほど次から次に疑問が生じ、良い循環をすることになります。そうなると、興味関心がある内容については、一生涯追求していくことになるのでしょうが、私も含めてほとんどの皆さんがそうであるように、勉強することはありません。私などは、サイエンスが好きで、追求をしてはみたが、難しくなりすぎて理解できなくなったというのなら、まだ良かったのかもしれませんが、勉強より楽しいことがあるから勉強をしなくなったようです。
 
 では、なぜ学校に行って勉強しなければならないのでしょうか。
 
 いろいろな理由が考えられると思います。どれもが正解だと思います。とにかく、教師として、子供達を説得できる理由を持っているべきだと思います。
 
 私は、いくつかのレベルで勉強の必要性を説明しますが、最終的には、「人類の幸せ」であり「世界平和」だろうと思っています。ただ、あまりにも飛躍しているので、生徒には異なる説明をします。
 
 新しい知識を得ることや人類が築いてきた文化遺産を伝承することも理由のひとつですが、私がもっとも重要視することは、「考える」ということです。
 
 社会に出たら、というより、人が生きて行くときに、「考える」ということをします。この「考える」ということなくして人として生きていけません。では、私たちは、どこで「考える」方法を身につけたのでしょうか。学校に行かなくても「考える」力をもった人は多数いますが、「考える」力のない人の方が多いのだと思っています(根拠はありません)。
 
学校の勉強においては、答えがあります。「正しく考える」と答えにたどり着けるのです。学校以外においては、答えがありませんし、果たして正解があるのかどうかもわかりません。それでも、行動を起こすには、「考える」しかないのです。ここで、正しい考え方をしないと、とんでもない結論が出る恐れがあるのです。ですから、学校においては、「正しく考える」方法を教え、子供たちを鍛え、人として正しく生き、幸せになれるようにしなくてはならないと思っています。
 
 生徒は、どの教科・科目であっても、考える訓練をする必要があります。教科の内容そのものが社会で役立つことが稀であることは、自分の経験からも分かります。極端なことを言うと、内容は忘れてしまっても構わない。けれど、若いときに徹底して考える訓練をする。これが、学校で勉強する理由のひとつでしょう。
 
 授業で考えることは理論です。学校行事や部活動においては、考えたことを行動に移すことになり、より実践的になります。学校において生徒が思考を停止させているとしたら、そこにどれほどの意味があるのでしょうか。レベルに応じてとにかく考えさせる。このことが非常に大事だと私は思います。
  

13号 板書  ◆ ◇ ◆  15号 考える
 
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