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むてき 3号

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身だしなみ
 
 昨年度、マナー講習の授業に参加しました。お辞儀のしかたとか手の組み方等、いろいろありましたが、「身だしなみ」と「おしゃれ」とは違うというお話が、一番印象に残っています。
 
 教師として、生徒指導をすると、必ず生徒が言ってきます。「どうしてイヤリングをしてはいけないのですか?」ここで、もっともらしい理由を言おうとすると、大抵は泥沼にはまってしまいます。一番簡単な答は、規則をもちだすことです。「規則だから、ダメなのです」と答えるのが、もっとも楽です。理由を言う必要はありません。さらに、「学校は勉強をするところです。勉強をするのに、なぜイヤリングが必要なのですか?」と問い返すのも効果的かもしれません。でも、何かスッキリしません。何となく、違うということは感じていたのですが、それを表現することができませんでした。結局、それは、「身だしなみ」と「おしゃれ」の違いだったと気づきました。
 
 「身だしなみ」という言葉も「おしゃれ」という言葉も知っていました。でも、20年以上もの間、教師として生徒を指導してきて、このことに気づかなかったのです。イヤリングも制服を着崩すことも「おしゃれ」の部類に入るでしょう。「おしゃれ」は休日等のプライベートな時間にすることであって、登校時にすることではありません。私たちは、生徒に「身だしなみ」をキチンとすることを教える必要があります。社会人となって、デパートの店員が制服を変形することなど、あり得ないのですから。
 
 生徒指導において、服装等の基準は、面接試験が分かりやすいと思います。その格好で、面接試験を受けることができるかどうか。面接試験を受けることができない状態で、校内にいるということは、学校にお越しになった企業の方が、よくないイメージを持つということです。3年生だけがキチンとすればいい、というようなものではありません。
 
 さて、生徒にはこのように指導するとして、私たち教員は、どうなのでしょうか。
 
 学校にお越しになった企業の方が、津商の先生方は、皆、キチンとしていると思っておられるでしょうか。「このような先生達に教えてもらっている津商生は幸せだ」と思われているのか、「こんな先生に教えられていたら、生徒はこの程度だな」と思われているのか。また、保護者や生徒が、先生の「身だしなみ」はキチンとしていると思っているでしょうか。
 
 私たちには制服がありません。服装は自由です。だから、よく考えないといけないと思っています。本当に大切な常識等は、文章化されていませんし、教えてもらえません。ただ、あの人は非常識だと思われるだけです。大事なことほど、文字にされていないのです。 男性職員は、まだ、楽です。ネクタイをしていれば、今の社会においては、とりあえず認められます。たとえば、ジーンズは、教師としての「身だしなみ」でしょうか「おしゃれ」でしょうか。カジュアルウェアであるというのは、論外です。もっとも、私も夏はネクタイをしませんが、とりあえず襟付きのシャツにしています。ただ、その襟付きのシャツが「身だしなみ」か、と言われると、ちょっと弱ります。
 
 私が大学生の時、授業で教授が言いました。「職員室には、必ず、鏡があります。なぜだか、分かりますか?授業に行く前に必ず鏡を見て、ネクタイが曲がっていないかどうか確かめるためです」と。ネクタイは単なる例です。鏡を見て、これから授業をするという顔になっているかどうかを確かめるためでしょう。歯に海苔がついていたりしたら、それだけで授業が台無しになる可能性もありますから。

  

2号 顔  ◆ ◇ ◆  4号 気づく
 
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