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みかんのわ 21号

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友達ってなぁに?
 
 僕は高校生の時、理数科というクラスにいたので、3年間クラス替えがなかった。

 高校受験の時、クラス替えのある普通科にするかどうか迷ったけど、知り合える数が少なくても、深くつき合えるだろうと思って、理数科にした。

 もちろん、理系が好きだったというのが一番の理由だけどね。
 

 3年間一緒にいても、中には、ほとんど話をしなかったクラスメイトもいた。

 それじゃ、彼らは友達じゃないのかというと、僕は、そう思ってはいない。
 3年間もずうっと一緒だったクラスメイトだもの、僕は友達だと思ってる。

 彼らが僕のことをどう思ってるのかは、知らないけどね。


 ときどき、一度会ったらもう友達だと考えるヤツもいるけど、僕の友達の概念は、そこまで広くない。
 一度会ったくらいなら、知り合いだね。

 でも、知り合うことから友達になれるんだ。
 その、知り合える場というもののひとつが、クラスなんだ。
 

 社会に出ると、学生時代のように同年代だけで行動することは少なくなる。

 となると、おかしなもので、どんなに仲が良くなっても、友達とは呼びにくい。
 彼らは、仲の良い職場の同僚であったり、先輩であったり、後輩であったり、または、何かのサークルなどの仲間だったりする。

 ということは、友達ってのは、主に学生時代の同年代の者同士の間のことをいうのかも知れない。
 

 僕の友達にも、当然いろんなのがいる。

 医者になったヤツ、
 歯医者になったヤツ、
 教師になったヤツ、
 塾の講師になったヤツ、
 大学教授になろうとしてるヤツ、
 原発を設計してるヤツ、
 防衛庁のコンピュータの何かのプログラムを組んだヤツ、
 アメリカでコンピュータを作ってるヤツ、
 アラビア語がぺらぺらで、中近東へしょっちゅう行ったヤツ、
 水道屋、会社員、公務員、主婦、
 そして行方不明になったヤツ。

 みんなどこかで、がんばっているはずだ。

 そんな多くの友達と、今は会うこともない。


 高校を卒業してから、一度も会ってないのもいる。
 人生そんなものなんだろう。

 だけど、どこかの街角で偶然出会って、ヨォ!って手を上げたら、その瞬間にそれまでの会えなかった時間は消滅して、お互いが高校時代の友達に戻ってることだろう。
 

 きっと嫌なこともいっぱいあったんだろうけど、そんなことはみんな忘れてしまった。

 そのかわり、腹がよじれるくらいに笑ったことや、夜まで話し合ったことや、自転車で走り回ったことや、文化祭や体育祭でがんばったことは、覚えてる。

 僕のクラスは、40人で、女子は8人しかいなかった。
 その8人が、体育祭の時だったかに、全員のハチマキを作ってくれた。
 文化祭のステージで演奏したときにも、声援を送ってくれた。

 そんな状態だったから、仲が悪かったわけじゃないんだけど、shy(シャイ:内気な)だったのか、女子と話をする男子は一部だった。

 僕も、用がない限り女の子とは、ほとんど話をしなかった。

 下校時のある時など、下駄箱でクラスの女の子に「さよなら」って言われたのに、ビックリしてしまった僕は、「さよなら」って言うこともできなかった。
 当然、彼女は何事もなかったかのように帰って行った。

 今思えばバカみたいだけど、そんな状態だったんだ。
 

 卒業しなくても、クラスが替われば、もう話をすることがなくなる同級生もいる。

 そんなことが、あの時分かっていれば、みんなともっともっと話をして、男子が女子とももっと話をしてたなら、もっともっともっと素敵なクラスになってて、ずっとずっと多くの思い出が残ったに違いない。
 

 クラスメイトの名前が、みんな言えますか?
 気が合う合わないに関わらず、みんなと話をしましたか?

 まだだとしたら、今からでも遅くない。
 今だけでなく未来がもっと楽しくなること請け合います。

 ほんの少しの勇気を出して、一歩を踏み出せばいいんだから。
 話すきっかけなんて、なくてもいい。
 

 もう2度と会えないかも知れないのに、まだ躊躇するのかい?
 
 

  

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