カッコ良さってなぁに?
僕は男だから、女性がどんな男をカッコイイと思ってるのかは、分からない。
ただ、筋肉もりもり男は、男が思ってるほど女性に好かれないらしい。
だけど、腹が出てちゃダメ(?)みたいだし、かといって、相撲取りはカッコイイ(と思う女性はかなりいる)らしいから、何がなんだか分からない。
ただ、相撲取りがモテるのは、女性の本能の部分(DNAの存続のためか?)において感じるところがあるんだろうな。
カッコイイのは、TVや映画のヒーローだ。
月光仮面も遊星仮面もパーマンも、みんなマントをしてたから、幼稚園の頃、ジャンパーに襟首からの風の進入を防ぐホックがついてるのを着てたヤツは、袖を通さず、ホックで首にジャンパーをひっかけて走ってたし、ホックのついてないジャンパーしかなかった僕は、母親にホックをわざわざつけてもらって、気分は**仮面だった。
高校にもなると、さすがにウルトラマンや仮面ライダーがあこがれのヒーローにはならなかった。
その頃、カッコ良く思ったのは、ルパン3世だった。
クラブの帰りに友人たちと学校の前の店で、確か90円のラーメンを食べるとき、TVで再放映のルパン3世を見てた。
ルパンの声優だった山田康雄は、残念ながら他界した。
彼の声がなかったら、あんなにも流行らなかったかも知れないと思ってしまうほど、山田はルパンそのものだった。
ルパンは悪党だけど、なぜか憎めない。
冗談半分に生きてるみたいだけど、本当に力があって、余裕がなければ、あんな風には生きられない。
いつも3枚目なんだけど、強さの裏付けがある限りない優しさを持っていた。
カッコ良かったなぁ。
宮崎 駿の映画「カリオストロの城」の中で、クラリスを救いに行くために、3枚目のルパンが屋根を飛ぶシーンなんか、映画館では爆笑だった。
しばらく音声が聞こえないくらいだった。
そして、ラストシーンでクラリスを抱きしめたくてしょうがないのに、やせ我慢をして去っていくルパン。
うーん、男だねぇ。
同じく宮崎 駿 が中年男性のために作った「紅の豚」という映画も良かった。
男のための映画だから、女性が見てもあまりおもしろくないかも知れない。
主人公はマルコという男で、魔法をかけられて豚になっていた。
彼は、飛行艇に乗って戦う。
昼間でも spirit(スピリト:心、勇気、酒)を胃に流し込む。
それは酔うためではなくて覚醒するためだ。
ある時、あこがれの女性から、飛ぶのをやめてほしいと電話口で言われた。
マルコは言った。
「飛ばねぇ豚は、ただの豚だ!」
豚であろうが人間の顔をしていようが、俺は俺だ。
人と違う顔をしているからって、それが個性でもなんでもない。
ただ、空を飛ぶということが、俺の存在証明になる。
それをなくしたら、俺は俺でなくなって、みんなと同じになってしまう。
自分というものをなくした、大衆のひとりに。
ルパン3世だって、紅の豚だって、彼らは、確固たる自分というものを持っている。
信念がある。
そこに妥協はない。
生きていく上で損をすることがわかっていても、自分を譲れない。
どうしようもないほどの頑固者だ。
でも、そう思われるほどでなければ、すぐに流されてしまうに違いない。
流れにのることは楽なことだ。
それなりの喜びもある。
だけど、それが分かっていても、妥協しない。
苦しくても損をしても、自分の信じてることを貫き通す。
貫き通す意地がある。
そういう態度を、僕はカッコイイと感じるんだ。
TVや映画の中のヒーローは、とてもカッコイイ。
彼らと友達になりたいと思うし、自分がそのように生きてみたいと思う。
当然、現実にそんな風に生きてるヤツが少ないから、映画やドラマの主人公になるんだけどね。
ところで、君たちには、どんな生き方がカッコ良く見えるのかな?