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みかんのわ 24号

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被害者もどきってなぁに?
 
 いつの頃からか、被害者が増えてきた。

 これは、少数の加害者が、多数の被害者を産み出しているということばかりでもないらしい。

 というのは、その被害者に、加害者はだれなのかと訊くと明確な答えが返ってこない。

 加害者がだれだか分かんないけど自分は被害者で、あえて言えば、今の社会が加害者だなどと言ったりしてる。

 自分はその社会の一部を構成しているんだから、社会が加害者であるなら、自分も加害者であるはずだ。

 結局、自分で自分に害を及ぼしているわけだね。
 

 もちろんだれだって好きこのんで加害者になってるんじゃないけど、できることなら加害者になりたくはない。
 そして、被害者にもなりたくはない。

 だけど、世の中には、損得勘定の得意な人がいて、被害を受けていなくても、自分は被害者だと叫ぶ人がいる。

 被害者であれば、加害者から償ってもらえるから損をすることはない。

 現状がこれ以上悪化することなしに得をする可能性があるのなら、その方がいいとだれもが考えるから、傍観者になるよりは、被害者を選ぶ。

 実は、目には見えない現状が悪化することがあるんだけど、本人が気づかないだけなんだ。
 

 合衆国であった実話だけど、ある人が濡れたネコを乾かすために電子レンジでチンしたらネコが死んじゃった。

 で、これは電子レンジの caution(コーシュン:注意書き)に、ネコを入れてはいけないというような文面がなかったからいけないんで、ネコをいれた私は悪くないと言って、電子レンジ会社を訴えた。

 その人は、自分は悪くないんだから、被害者なんだと本気で思っていたんだろうか。

 その裁判の結果がどうなったのかよくは知らないんだけど、そんなことは何でも訴訟問題にしてしまう合衆国くらいのもんだろうと思ってたら、2〜3年前に、名古屋だったかで、自分が禁煙しようとしているのに煙草をやめられないのは、煙草を発売している会社が悪いのだと訴えた人がいた。

 自分は決して悪くなくて、悪いのはみんな自分以外に原因があって、自分は常に被害者だなんて、何言ってんだか。


 被害者になったとき、泣き寝入りをしろと言ってるんじゃない。
 被害者なら、堂々と主張すればいい。

 ただ、自分の無知や努力不足を棚に上げて、被害者面して甘えていてはいけない。

 甘えん坊や自分勝手なヤツは一人前の大人じゃなくて子供なんだから、社会の中で一人前として扱わなくてもいい。

 そうすれば、彼らにとって、それは大きな不利益となるから、一人前になろうとするはずなんだけど、今の世の中は、弱者のフリをしていれば保護してもらえるし、義務を怠っても平等だ何だのと言ってれば権利を与えられたりするから、一人前でなくてもやっていける。

 いったいいつから、大人が子供であることを恥とせずに、子供であることを堂々と主張できるようになったんだろうか。
 

 僕たちは生きている。

 時には、荊の道を通らなくちゃいけないこともある。
 そこで傷ついたら、被害者かい?

 自分らしく生きようとすると、何かにぶつかる。
 自分の心に素直であろうとすればするほど、もう一人の自分と戦わなければならなかったりする。

 長いものには巻かれて、いつも流されていれば、傷つくことは少ないだろう。
 荊の道を避けることもできるだろう。

 それでも傷ついたなら、被害者だと言い張って、保護してもらえば、もっと安全に生きられる。

 だけど、それでいいんだろうか。

 精一杯生きているんだという実感をどこかに置き忘れたまま時が過ぎて、気がついたときには後悔ばかりが残っているとしたら、大きな損失じゃないか。
 

 生きているということは、絶えず何かと戦っているんだ。
 戦場なんだ。

 戦場で傷つくのは当たり前。
 みんなが戦っているのに、自分だけが無傷でいられるはずがない。

 傷つくことによってますます弱くなっていかずに、傷ついたことを克服して少しずつ強くなっていきたい。
 

 まさか、子供のままでいたいなんて思ってやしないよね?
 
 

  

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