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みかんのわ 26号

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情報化社会ってなぁに?
 
 人が必要とするものには、価値が生じてくる。

 最初は、その価値あるものを、人は、物々交換という手段によって手に入れていたけど、お金が発明されて売買となり、その物を大量に作れる工業化が進むと莫大なエネルギーが必要となり、目に見えない電気というものをお金で買うようになった。

 そして、さらに見えにくい information(インファーメイシュン:情報、知識)というものが価値をおびてきて、物やエネルギーと同じように、情報をお金で買う時代になってきた。

 そうなってくると、形のない情報というものを中心に社会の構造が変化していく。

 大量の情報を処理するためには、コンピュータが欠かせないものとなり、瞬時に情報を得るために、世界中がネットワークで結ばれることになる。

 それが情報化社会だ。
 

 その昔、旅人が情報を運んできてくれた時代、好奇心を満たしてはくれたが、その情報自体にはあまり実用的な価値がなかった。
 
 そして、情報を手紙でやりとりするようになった頃、時間はゆっくり流れていた。

 どんなに速くしなければならないことでも、2・3日の余裕があった。
 もちろん、情報の届くのが遅すぎることもあったけど、それは、そんなもんだということで皆が納得していた。
 
 そのうちに電話が発明されたけど、一家に一台となったのは、最近のことだ。

 僕が子供の頃、僕の家には電話があった。
 ダイヤルなどはなくて、電話機の右側にL字型のハンドルがついていて、受話器を取ってから、それをぐるぐる回すと、それによって発電された信号が電話局に届いて、交換のお姉さんの声が聞こえたら、かけたい相手の電話番号を言う。
 そうすると、そのお姉さんが相手を呼びだしてくれることになっていた。

 そんな電話のある家が近所には少なくて、全然知らない人から家に電話がかかってきて、近所の人を呼びに行くこともしばしばあった。

 電話が部屋にないんじゃなくて、家にない呼び出し電話だったんだ。
 信じられないかも知れないけどね。
 

 で、電話や無線によって、情報は飛び交うようになって、必要な情報が速く手に入るようになったのはよかったんだけど、仕事もすぐにやらなくてはならなくなった。

 それでも、まだ少しの余裕があったのに、ポケットベルが広まって、どこにいても呼び出されるようになった。

 それでも、公衆電話が見つからないなどの理由で、何分かの余裕があったんだけど、携帯電話の普及によって、その数分の余裕すらもなくなった。


 情報は自分にとって役立つものだから、すぐに情報が入るようにしたはずなのに、情報に人が振り回されるようになってしまったんだ。
 

 何かの判断をしなければならないとき、正確な情報がたくさん必要になる。

 今は、お金でどんな情報でも買える時代だ。
 瞬時に世界中から情報を集めることができる。

 だけど、情報を集めるだけでは、どうにもならない。
 その中から、今の自分にとって価値あるものを選び出さなければならないし、情報を組み合わせて、さらに新しい情報を創り出さなければならない。

 情報を自分にとって有益になるように処理をするわけだ。
 情報処理ができなければ、情報の洪水に呑まれてしまうだけだ。

 その時には、コンピュータという道具が非常に役に立つ。
 だけど、勘違いしてはいけない。

 コンピュータで情報の処理はできるけど、判断するのは自分だ。
 いくらコンピュータが進歩しても、コンピュータが判断することはできない。
 コンピュータは人間になれないんだから。

 なぜ人間になれないかって?

 単純なことだけど、コンピュータには、体がない。
 どんなセンサーをつけたって、人が体で感じるその場の雰囲気をコンピュータは感じることができないんだ。
 

 君は、あふれる情報の中から、必要なものを選択できるかい?
 
 
  

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