勉強ってなぁに? −その1−
友達と話はしたいし、食事はゆっくりとりたいし、連続ドラマは見たいし、スポーツニュースも欠かせない、のんびりお風呂につかりたいし、TVゲームも少しはやりたい。
お気に入りのCDは聞きたいし、やはり何と言っても、たっぷり眠りたい。
やりたいことがいっぱいあるのに、英語の予習や数学の宿題を、一体全体、いつ、やれると言うんだろう。
一日が24時間だってことを、みんな理解しているんだろうか。
好きでもない勉強が一番後回しになるのは、あたりまえ。
できれば、やりたくないのが勉強なのに、どうして、みんな、勉強、勉強って言うんだろう。
昔は、生活していくために必要な最低限の知識として、読み、書き、そろばんがあった。
子どもは遊んでいる方が楽しいに決まっているから、みんなが一所懸命勉強していたはずがない。
だけど、商人になろうとした者は、経済の勉強をしただろうし、国を治めようと考えた者は、政治の勉強をした。
医者になろうとした者は、医学の勉強をしただろうし、社会に役立つ何かを発明してやろうと思った者は、science(サイエンス:科学)を勉強したに違いない。
または、ただ興味本位から、いろいろな知識を手に入れようとした者もいただろう。
一般教養として身につけておきたいなどというのは、よっぽど退屈したお金持ちだったのだろう。
いずれにせよ、積極的に勉強した者には、それなりの目的があったはずだ。
目的があればこそ、嫌いな勉強も好きになり、次から次へと湧いてくる疑問を追求して行くうちに、いつの間にか、その方面の一流となって行ったのだ。
ところで、君たちの勉強の目的は、一体何だろう?
そんなもの、あるわけがないよね。
自分でこの道を選んだわけじゃなく、ただ、流されて流されて、とりあえずたどり着いたのが津高校。
勉強なんて好きじゃないけど、たまたま他人より少しできたばっかりに、ここへ来てしまった。
中学では成績が良かったはずなのに、高校に来てみたら、結局、みんな成績良かった者ばっかりで、今まで分からなかったことなどなかったのに、授業は理解できないし、信じられないような点の付いたテストの答案が返ってくる。
一体全体、今までの自分はどこへ行ってしまったのかと、自分自身の存在すら分からなくなって、あせってやってみたところで、高が知れてて、でも、あきらめきってしまうには、早すぎる。
気がついたら、もう、一ヶ月が過ぎようとしてるから、この調子だと、1年は、あっと言う間に終わってしまって、楽しいはずの高校生活が、たかが「勉強」で灰色になってしまうなどとは考えたくもない。
人生には、もっと大切なことがあるんだと自分に言い聞かせようとしても、それが何なのか分からないし、クラブを一所懸命がんばればそれで良いんだと思っても、学生である以上、勉強につきまとわれる状況が変化するわけじゃなし。
勉強から逃避せずに、チラッとそのことを考えると、勉強は、やっぱり、できないよりできた方がいいんだろうなぁという気になる。
で、自分が勉強することに意味を見い出そうとしても、何も見つけられない。
勉強することに何か意味があるんだろうか?
勉強ってしなくちゃいけないものなんだろうか?
地歴なんかは、将来、海外旅行に役立つかもしれないけど、数学の因数分解なんてのは、一生使わないだろう。
こんなことやってて、何になるんだろうか?
でも、親は高校へ行けって言うし・・・。
そうそう、将来大学へ行きたくなったときの受験のために、今は、少しだけ勉強をしよう。
受験勉強は、3年生になってからでも充分間に合うはずだ。
先輩に聞いても、1年生から受験勉強してたって言ってなかったから。
ということは、今は、必死で勉強をしなくても高校生でいられる時なんだから、やっぱり高校生活はバラ色だったんだ。
という結論に達した君ッ!
「勉強」は、するものなんだ。
した方が絶対良いと僕は信じてる。
一体全体、今、「勉強」することに、どんな意味があるんでしょうね?
2号 言葉ってなぁに?
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4号 親友ってなぁに?
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